■ 抄録・要旨
| 中国北西部は乾燥気候であり、そこには広大な塩基性土壌が分布しており、それらの土壌への硫黄酸化物の乾性沈着を見積もることは重要である。各種の土壌への硫黄酸化物の乾性沈着を簡易に測定する方法として、土壌をタブレットに成型し、それを硫黄酸化物に曝露させることにより沈着量を求める方法を提案し、その評価を行った。平均粒度が10μmのテフロンパウダーを粘結剤として用いた場合4種類の土壌についてほぼ等しい圧壊強度が得られた。また、25μmと10μmの蘭州土壌と10μmのテフロンパウダーを用いてタブレットを成型し、30ppbの二酸化硫黄への曝露試験を行ったところ、12時間平均の沈着フラックスとしてほぼ同程度の値が得られた。この曝露実験における曝露ガス濃度減少量とタブレットから抽出された硫酸イオン量はモル基準でほぼ物質収支が取れており、土壌タブレット法が硫黄酸化物の沈着フラックスの測定に応用できるものと推定された。
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